私の望む答えなんていらない。

 エチオピアの人たちの幸せが、私のすべて。







月の満ちる頃





 アムネリス様と結婚して。

 エジプトの王になって。



「私はそれを責めません」


 きっぱりと、でも少し悲しそうに。
 アイーダは言った。


「アイーダ」
「私の言ってることがわからない?さあ、早く行って!」

 お願い、早く私の前からいなくなって…


 消えそうな声のアイーダを、ただ見つめるラダメス。





 受け入れられない愛だった。
 望んではいけない愛だった。

 愛してはいけないと、わかっている。
 私はエチオピアの皆の想いを背負っている。

 裏切られるわけがない!


 月明かりが二人を照らす。





「愛している」


 喜びに胸が震えた。
 形見を差し出された時のように。

 でも。

 私の望む言葉はいらない。

 いっそのこと、「嫌い」と言ってほしかった。




「アイーダ」


 低い声が頭上から聞こえて、自分がしゃがんでいたことを知る。

 それよりも、彼がまだこの場にいるという事実に涙が出そうになった。




「まだ…いたの?」

 震える声は、彼に聞こえただろうか。

 アイーダは彼から距離を取るように後ずさる。

 そんなアイーダをラダメスは静かに見つめ、そして言った。


「貴女は私を見くびっているのか」

「っ…ラダメス!?」
「私が!」

 その眼差しは真っ直ぐにアイーダを貫く。

「私が一時の感情だけで愛を告げているのだと言うのか?」

 違う。そんな人ではない。わかっているけどでも。

 駄目。
 言わないで。

「そんな男を愛したのか、貴女は…?」


 違う、という言葉よりも身体が先に動いた。
 走りよって首を振る。

 違う、違うの。


 貴方は私の一番欲しい言葉をくれる。

 でも、それがいけないことなの。
 私は祖国を守りたいだけなの。

 だから、言わないで欲しかった。私の一番望む言葉を。


 貴方の私への気持ちは嘘だと思いたかったけれど。
 その瞳が本物だと告げてる。

 私も、嘘はつけない――





 伸ばされた手を拒めない。




 拒めないとわかっているから、言わないで欲しかった。



 いらないと嘘をついてもそれは嘘。

 貴方のその言葉が本当は、欲しかった…













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はーい、しっかり捏造しております月の満ちる頃。
ラブラブですね!嫌になってきますね!(オイ)
やっぱりストーリー性皆無、成り立っておりません!



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